『京の鬼と伝統芸能 其の一』と題しての自主公演《第1弾》は
9月21日(日)に無事に開催終了いたしました。
今回、8月1日よりWEBでの観覧申込みを開始いたしましたが、早々に定員となり、公演当日にはたくさんのお客様がお越しくださいました。
まずは【第1部】幕開けとして、ゑんま堂狂言とは馴染み深いご縁の、佛教大学教授であり、世界鬼学会会長の八木透氏によるゑんま堂狂言『えんま庁』の解説からスタートしました。
解説に続きましてゑんま堂狂言『えんま庁』の上演です。
本公演でも、公演日の1番目に演じるこの『えんま庁』は、〝鬼〟が鉄杖を掲げ堂々と登場するシーンから始まります。
〝鬼〟がテーマのこの公演にふさわしい演目です。
1演目目の上演後、今回のゲストである世界鬼学会会長八木透氏、
世界鬼学会副会長丘眞奈美氏、
そして千本六斎会会長吹田哲二郎氏には舞台にお集まりいただき、
ゑんま堂狂言顧問戸田義雄といっしょに〝鬼〟とは?をテーマにパネルディスカッションを行っていただきました。
それぞれの〝鬼〟への想いや、〝鬼〟とは何であるかなど、興味深いお話を笑いを交えてたっぷりと聞かせていただくことができました。
休憩を挟んで【第2部】は、ゲストの千本六斎会の登場です!
まずは『四つ太鼓』を披露。
叩き始めるのは、習い始めた経験の浅い子どもたちから。そして、だんだんと経験を積んだ大人へと移り、その叩き方の技術もスピードも上がります!
『祇園囃子』から豆太鼓の演目に続きます。
舞台上でさらしが美しい弧を描くと、客席からは歓声が聞こえて来ました。
最後は『獅子舞』。
獅子のアクロバティックな演技に注目です。
見事に技が決まると、会場から大きな拍手が湧き起こりました。
千本六斎の『獅子舞』では、蜘蛛が登場します!
蜘蛛の糸が大きくふわりと広がり客席の方へ。
何度見てもワクワクするシーン、お客様からも歓声が上がります。
今回の公演ラストを飾るのは、ゑんま堂狂言『伯母ヶ酒』です。
これは〝鬼〟の面を重ね付けする、ゑんま堂狂言の中でも珍しい演目です。伯母様と五兵衛の楽しいやり取り、五兵衛のワイルドなセリフをお楽しみいただけたことと思います。
全演目が終了し、全員舞台へ上がり顔見せでご挨拶。
お客様からの質問コーナー。
最後の演目『伯母ヶ酒』を観られて、「伯母様の帯は前で結ばれているのはなぜですか?」…実はよくいただくこの質問。
ゑんま堂狂言では、いくつかの演目で女役は前で帯を結んでいます。
江戸時代初め頃、前結びは既婚の象徴とされていたこともあったようです。そういう風習が狂言にも反映されて使われているのかもしれませんね。
今回、ゑんま堂狂言ならではの〝鬼〟の世界を、世界鬼学会並びに
千本六斎会とのコラボでお届けいたしました。
最後までご観覧いただきありがとうございました。
みなさまのあたたかい拍手で舞台を終えることができました。
会場でお客様へアンケートをお願いいたしましたところ、貴重なご意見をお寄せくださいました。初めて狂言と六斎を観ましたが、とても楽しかったのでまた参加したい。舞台の間近で観たので、迫力に圧倒されました。そして、若者が伝統芸能を受け継ぎ守っていることがすばらしいというお言葉を特に多くいただきました。
また、改善すべき点を気付かせていただけるようなご意見もありました。ありがとうございます。保存会会員一同、より良い公演を皆様にお届けできますよう頑張っていきたいと思います。
この度、自主公演《第1弾》『京の鬼と伝統芸能 其の一』は終了いたしましたが、次回2025年12月7日(日) に自主公演《第2弾》『京の鬼と伝統芸能 其の二』を、京都国立博物館 平成知新館講堂にて開催を予定しております。
こちらも、観覧無料(要入館料)で事前のWEB申込み制(10/19〜)となります。詳細についてはこちらのページでご案内しております。
みなさまのお申込みをお待ちしております。