保存会結成50周年記念五月本公演
全日程終了
保存会結成50周年記念特別企画の『神崎渡し(戸田船守)』、保存会結成時から会を支えて来られたゑんま堂狂言顧問の戸田義雄が50年ぶりに船守役を演じました!
保存会結成50周年本公演1日目のリポートはこちら↓
保存会結成50周年本公演2日目のリポートはこちら↓
保存会結成50周年本公演3日目のリポートはこちら↓
4日目千秋楽も昼公演と夜公演の2部制です。最終日まで本当にたくさんのお客様にお越しいただきました!!
4日目の昼公演のスタートは、やっぱりこれ!
無言劇の『えんま庁』です。
みなさん、3日に『セリフありえんま庁』をご覧いただきましたか?
こちらは、本家本元セリフなし!カンデンデンで演じます。
▲ 4日目『えんま庁』の鬼は、入会して12年目の若手演者です。
小学6年生の初舞台でこの鬼役をいただいてから、毎年公演中に必ず『えんま庁』の鬼役を一度は演じています。
▲ そして帳付を演じるのは、鬼役の同級生で一緒に入会した演者です。
初舞台でも帳付を演じていました。
その頃の2人には面が大きくて、まるで面が動いているかのようだったのを思い出します。
4日目昼公演2演目目は、お待ちかねの『神崎渡し(戸田船守)』です。
この時、後ろの方まで立ち見のお客様で埋まっていました!!
▲ お茶屋登場。今回ベテラン親子が演じる船守と御坊に合わせて、お茶屋もベテラン演者が演じました。
なかなかにレアな配役で、今回限りの組み合わせかもしれません!!
観られた方はラッキーです!
▲ そして、副会長であり、顧問戸田義雄の息子の戸田大地が御坊として登場しました。
どの役も器用にこなし笑いを取る、見習うべき先輩です。
▲ いよいよ船守が出て来ました!
長年の経験から語り口調や、所作など見事な演技を披露されます。
身体が狂言を覚えているのでしょうね。
保存会員も外へ出て来て、真剣に観ていました。
▲ あっという間に最後のシーンです。
みなさん、お楽しみいただけましたでしょうか。
▲ 上演後は2人のトークタイムを設けました。
ゑんま堂狂言でここまでやって来られたこと、また、これから先へ繋げていくことを親子で仲良くお話しされました。
4日目昼公演3演目目は『二人大名』です。
▲ 参詣に行く道中、通りすがりの町人に太刀を持たせて無理矢理お供させようとする大名ですが、段々と町人の態度が変わり2人への仕返しが始まります。
▲ 着物を取られた上、いったい何をさせられるのでしょう⁉︎
4日目昼公演4演目目は『ほうらく割り』です。
昨年の本公演から今年の本公演までの間に、願いを込めて奉納されたほうらくが、劇中に運ばれて来て次々に割られます!見事に割れたら祈願成就!!
昼の部の休憩タイムです。
休憩中鉦太鼓を叩くのは子役たちの楽しみなんです!
休憩後、4日目昼公演5演目目は『篁冥途噺』。
回数を重ねて練習をして来ていますが、今でもこのシーンはこうした方が、あのシーンはやっぱりこう動く方がいいのでは?など、いまだ進化中の演目です。
▲ 新調した「悪鬼」のお面(写真右)が初登場!ちょっと珍しい色味です。
そして、中央の亡者が付ける面も悪鬼の面同様に、昨年助成を受けて新しく作った面です。
4日目6演目目は『木の本地蔵』。
若手の演者が、「護摩の灰」役に初挑戦しました。
▲ 相変わらず飄々としたお地蔵さんについクスッとなります。
写真右の座頭が付けている面は、5演目目の『篁冥途噺』で使用している新調した2面のうち、亡者の付ける面と同じものを使うため、この『木の本地蔵』でも新面を使っています。
4日目昼公演最後7演目目は、『土蜘蛛』です。
▲ 太刀持ち役に挑戦中は、小学5年生の子役です。
立つ、座るという演技は、衣装を着て面を付けていると、思っている以上に難しいものです。
▲ 「土蜘蛛」が投げた蜘蛛の糸、かっこよく飛んでいますね!
お疲れ様です。これにて4日目昼公演終了です。
4日目夜公演のスタートは、『与平狐』から。
「コィーン!」と登場!
赤い木の実と白い木の実。
人間になれるけど…
狐に戻れるけど…
どうすれば幸せになれるでしょうか。
4日目夜公演2演目目『寺ゆずり』。
▲ さんみは、師匠の言いつけを客が来るたび間違えてしまいます。
▲ 大人気「おなあ」の登場。出て来るだけで会場から笑い声が聞こえて来ます。
4日目夜公演3演目目『道成寺』。
ゑんま堂狂言1長い演目です。
▲ 姫から鬼神に変身します!
▲ 会長宮田勝行演じる鬼神と師匠坊との戦い!!
迫力ある見せ場であると同時に、陀仏坊の身体を張った「七回り」が笑いを誘います。
4日目夜公演4演目目『江戸万歳』です!
昨年までなら『道成寺』で終わったな〜と感じていたのですが、今年からは違います!
復活した『江戸万歳』が本来演じるべき『道成寺』の前で上演です。
『でんでん虫』のように、『江戸万歳』にも、つい口ずさんでしまいそうな楽しいリズムの唄が劇中に出て来ます。
お客様の中にはもうすでに歌われた方もおられたかもしれません。
保存会結成50周年記念本公演もラストとなりました!『千人切り』です。
みんな思い思いに趣向を凝らした演技で為朝へ向かっていきます。
▲ 推し活「為朝愛」…さて、為朝は振り向いてくれたのでしょうか。
以上、12演目で令和7年の保存会結成50周年記念本公演4日目千秋楽は終了しました。
『千人切り』のあとは本堂へ。
為朝からお加持を受けていただき、最後は会員たちで為朝を胴上げ、本公演…あっという間の4日間の締めくくりです。
たくさんのお客様が、今年も最後までご観覧くださり感謝いたします。
そして、保存会結成からの50年をまとめた冊子『ゑんま堂狂言 閻魔帳 其の一 語りつなぐ保存会50年の歩み』を本公演で配布させていただきましたところ、予定部数をお持ち帰りいただけたようです。
お知らせしていました保存会結成50周年企画のひとつ、『ゑんま堂狂言検定3級』ですが、47名の方が挑戦してくださり、平均点は約80点だったとのこと。
お楽しみいただけましたでしょうか。
『ゑんま堂狂言検定』は来年の本公演でもまた企画予定です!
ぜひトライしてみてください。
また、用意したオリジナルグッズ類、リニューアル手ぬぐい、鰐口焼きなどもたくさんお買い求めいただき、本当にありがとうございます。
合わせて御礼申し上げます。