五月本公演
4日間 全日程終了
4日間ありがとうございました!
令和5年の五月本公演もおかげさまで4日間の全日程を無事終えることができました!
ゑんま堂まで足を運んで直接ご観覧いただいた皆様、YouTube配信をご視聴いただいた皆様、本当にありがとうございました!
晴天に恵まれ、3日目よりも更に気温が上がるなか、最終日もたくさんのお客様にお越しいただきました。
最終日も『えんま庁』でスタート。
▲ 無言劇なのですが、一度だけ鬼さんが声を出すシーンがあります。それを知らずにその正面最前列に座られた方は多分すごく驚かれると思います。
▲ 2演目目は『神崎渡し』。
終盤は秀句好きの船守と御坊との、動きのあるデッドヒートが舞台狭しと繰り広げられます。
▲ 3演目目は『福釣り』。
庄屋の屋敷で宝物の虫干しがあると聞きつけた参詣人は、欲しい物が何でも釣れるという釣り竿を借ります。欲を隠さない参詣人が最後にどんなものを釣り上げるのか…。
▲ 4演目目には《かたもん》『船弁慶』です。
誰もが知る義経や弁慶、静御前が登場するこの演目も見どころがタップリです。
前半、静御前との別れの舞いのシーンはしっとりと美しく…
中盤の義経一行が船に乗るシーンは、実際に船に乗っているように見せる演技に、客席から「うまいこと見せるなぁ〜」とのつぶやきが聞こえてきました。
後半の、怨霊・知盛との立ち回りでは、他の《かたもん》の立ち回りと違い、船守の緩さがスパイスとなって一層盛り上がります。
▼ 休憩を挟んで昼の部5演目目に『鬼の念佛』。
▲ ゑんま堂狂言の顔出しパネルにもなっているポーズ「八万地獄へ落って失しょう〜〜」のシーン。
▲ 江戸時代初期から明治にかけて流行した『大津絵』。中でも〝大津絵十種〟と呼ばれる代表的な画題の一つの鬼からヒントを得て作られたといわれています。大津絵に似た格好をさせるところがミソという、歴史を感じさせる演目です。
▲ 6演目目『にせ地蔵』。
この演目の見どころの一つに、面を前後に着けるシーンがあるのですが、今回は地蔵面のヒモが切れてしまうハプニングが!
観客席も一瞬ざわつきましたが、アドリブでしっかり笑いをとりながら何とか切り抜けました〜。
▲ 昼の部最後の『二人大名』。
小六から組んだトリオも、今年ハタチの大学生トリオになりました。
▲ 最終日夜の部1演目目は『木の本地蔵』。
昨年の 千本ゑんま堂狂言IN長浜 では、題材の眼のご利益伝説が伝わる木之本地蔵院のある地元長浜での公演も果たした演目。
完全自主公演、今年も計画中です!ぜひお楽しみに!
▲ 夜の部2演目目は今年の本公演の目玉、新作狂言の『篁冥途噺(たかむらめいどばなし)』。
小野篁は、彼がえんま法王を安置した地に千本えんま堂が始まったといわれる、えんま堂とはとても縁の深い人物です。
▲ 昨年末の 練習発表会 ライブ配信 で初披露となった新調した篁の面ですが、さらに磨きをかけ、味のある面となって皆様に観ていただくことができました。
▲ 浄玻璃の鏡は千本ゑんま堂大念佛狂言保存会美術スタッフによる3Dプリンタを使って造形し、彩色した力作です。
▼ 夜の部3演目目、『道成寺』。
昨年の 国立劇場おきなわ企画公演 は、この演目がきっかけでご依頼をいただきました。
▲ 動画配信のチャットで「ダブさんの熱演、最高〜」というコメントをいただきましが、鬼神に目を付けられ追い掛け回されて逃げ惑う『七回り』というシーンは、本当に熱演と呼ぶにふさわしい陀仏坊の見せ場です。
▼ いよいよ今年も本公演最終演目『千人切り』を迎えました。
▲ 今年の千人切りMVPは、この親子三人のパフォーマンスで決まりでしょう。それにしてもきれいに足が上がってます…将来が楽しみです!
▲ このために子供用の牡丹獅子の衣装も用意、かわいすぎます!
▲ 今年はやっぱりこのネタがきました、侍ジャパンのWBC優勝。
▲ 親鬼の面きり。素顔なので何か違和感。
▲ 今年の四役の記念撮影。為朝、親鬼、小鬼と大学生トリオ。
烏は為朝役のお父さんです!
▲ 本公演開催中はリニューアルパンフレットやオリジナルどら焼きなど、たくさんのゑんま堂狂言グッズをお買い求めいただきました。
収益金は千本ゑんま堂大念佛狂言保存会の活動に使わせていただきます。ありがとうございました。
また、上京区の情報サイト『カミング』様より昨年ゑんま堂狂言の取材を受けた際に知り合った学生ボランティアさんが、今年の本公演で受付や配信などをお手伝いくださいました。ありがとうございました。
今回ライブ配信した本公演の動画は、しばらくの間 YouTubeの「千本ゑんま堂狂言保存会チャンネル」にて全日程全演目アーカイブ配信させて頂きます。ぜひご視聴ください。
今年はコロナ禍の影響も落ち着いて、以前のようにお客様数に制限をかけない本公演も、皆様のおかげで無事全日程を盛況のうちに終えることができて、保存会一同ホッとしております。
お客様からの演技などに対しての暖かい拍手、土蜘蛛の糸が飛んだ時や焙烙が見事に割れた時などの歓声、そして何よりも楽しそうな笑い声……満員のお客様の前で開催できる喜びを感じた4日間でした。
千本ゑんま堂大念佛狂言保存会は、今後も皆様に楽しんでいただけますよう、伝統を守りながら新しいことにもチャレンジする所存です。今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。